海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)11月 竹本圭翔さん
掲載日:2024.12.25
循環農学類4年 竹本 圭翔
11月に入り、ドイツでは寒さが本格化し、冬の訪れを感じる日々が続いています。SNSを通じて北海道のニュースを目にすることもあり、今年は例年より早い初雪が観測されたと知り驚きました。一方で、ドイツでも初雪が降ったようですが、あいにくその時私はドイツを離れていたため、まだ今年の雪を見る機会がありません。雪国出身の私としては、雪が恋しい気持ちが募っています。
11月もこれまでと大きく変わることなく、業務は順調に進められています。従業員の方々と仕事をしている中で、文化の違いに驚かされることもしばしばあります。こうした経験を通じて、日本の良さを再発見する一方で、海外特有の習慣や考え方にも柔軟に対応しようと努めています。特に、物事をマイナスに捉えず、「この国ではこうなんだ」と理由を見出すことで、よりストレスを軽減しながら生活しています。これは海外での生活を続ける上で重要な考え方だと感じています。
11月中旬、社長(Chef)のご厚意でEuro Tierという展示会に参加する機会をいただきました。Euro Tierは、ドイツで2年に1回、開催される畜産関連の国際展示会で、飼料、機械、道具、種牛紹介など最新の技術や製品が一堂に集まる場です。
特に印象に残ったのは、パラレル搾乳用のロボットです。現在主流の1頭ずつ搾乳するロボットとは異なり、このロボットは既存のパラレルパーラーに装着可能で、人間が牛を追うだけで搾乳プロセス全体を自動化してくれます。この技術は、作業効率を大幅に向上させるだけでなく、人件費削減にも寄与する可能性があります。1回の搾乳で多頭を同時に処理できるため、3回搾乳が現実的になる未来も想像でき、大変興味深く感じました。
また、ロボット自身でバンカーサイロに行って餌の積み込みを行い、自動で牛に給餌までするロボットにも驚きました。酪農業界は長時間労働が課題とされていますが、これらの技術革新により、労働時間の削減が実現すれば、従業員にとっても牛にとっても良い影響を与えると感じました。このような最新技術に触れたことで、酪農の将来への関心がさらに深まりました。
11月末には1週間の休暇を利用して、イタリアとフランスを旅行しました。旅行はローマから始まり、ヴェネツィア、ミラノを経て、フランス・パリへと進みました。
特に印象に残ったのはヴェネツィアです。最初は曇り空で感動が薄かったものの、晴れ間が広がるとともに美しい景色が広がり、特に日没前のゴンドラからの眺めは感動的でした。ローマでは気温が17度近くまで上がり、11月とは思えない暖かさに驚きましたが、観光客も多く、スリに警戒しながらの観光でした。宿泊先では日本人観光客とも交流でき、心強く感じる場面もありました。
この実習も残り4か月となりました。農場で働き始めた当初の自分を思い出し、改めて気持ちを入れ替えて今月も実習に励みたいと思います。