海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)10月 竹本圭翔さん
掲載日:2024.12.25
循環農学類4年 竹本 圭翔
毎月末にこの報告書を書くたびに、またひと月が過ぎたことを実感し、月日の流れの早さを感じます。今月のドイツでは平日に祝日が2回ありました。1回目は「ドイツ統一記念日」、2回目は「宗教改革記念日」です。どちらも平日にもかかわらず、しっかりと休みが取れました。また、普段も月に1回程度土日に出勤することがありますが、ほとんどの週末は休みです。有給も自分の希望日に取得できるので、こうした点で日本の酪農現場よりも労働環境が整っており、働きやすい職場づくりがされていると感じます。
10月の土日出勤の日、いつも通り仕事を終えて帰ろうとしたところ、シェフ(社長)が見回りに来ました。すると、シェフが数頭の調子の悪い子牛を発見しました。この日の子牛管理は私が担当していたため、「ちゃんと見なきゃだめだよ」とシェフに叱られました。その後、シェフと一緒に調子の悪い子牛の治療を行い、その日の仕事を終えました。
家に帰ってからも、シェフに言われたことが頭から離れませんでした。今日、私は子牛のことを確認する時間が一番あったのに、餌作りなどの作業に集中しすぎてしまい、肝心な子牛の健康チェックが疎かになっていたと反省しました。その日はかなり落ち込みました。翌日、久しぶりに、日本にいる祖母に電話をかけ、元気そうな祖母の声を聞いて安心しました。祖母に昨日の出来事を話すと、「怒られてよかったね」と言われました。この言葉の意味を深く考えました。叱られることは決して気分の良いことではありませんが、今後は作業に集中しすぎず、子牛の健康管理もきちんと行うよう心がける良いきっかけを与えてくれるものだと気づいたのです。このように考えると、祖母の言葉の意味が理解できました。
日本の牧場で研修していたとき、「楽しみをつくって働くことが大切」だということに気づき、ドイツでもこのことを忘れず、月に1度は自分の住んでいる町を出て、新しい場所を訪れるようにしています。今月は、有給休暇と週末の休みを利用してオーストリアとチェコを訪れました。
最初に訪れたのはオーストリア。歴史的な建物が多く、街並みも非常に美しかったです。街中を馬車が駆け抜ける光景など、「これぞヨーロッパ」と感じる雰囲気がありました。次に訪れたチェコは、世界で最も美しい国と言われるほどで、街全体が絵になるように美しく、オーストリアとはまた違った魅力がありました。チェコの伝統料理も堪能し、素晴らしい休日を過ごすことができました。