海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)11月 広井千紗都さん

掲載日:2025.02.04

循環農学類(2024年3月卒)広井 千紗都

10月に比べて冷え込む日がぐんと増え、雪も少しずつ降るようになってきました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)11月 広井千紗都さん

標高が高い山のマツ科の木には霜のようなものがたくさんついていました

今月はほぼ毎日馬に乗って山や放牧地にいる馬を探して集めてトラックに乗せてFeed lotに運ぶ作業をしています。これは冬になると雪で牛たちが食べられる草がなくなってしまうことや、2月から牛たちの出産シーズンが始まるからです。カウボーイのワーカーの人に出産のヘルプの経験あるか聞かれ2回ほどしかないと答えると何千頭も生まれるから日本に帰るころにはプロになっているねと言われその数に驚きながらも少しだけワクワクしています。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)11月 広井千紗都さん

AIの様子

牛を集める作業では、馬に乗って放牧地内を端から端までくまなく探します。フラットな放牧地にいる牛たちは隠れる場所がほとんどないので見つけやすいのですが、山の中に放牧されている牛は放牧敷地内がとても広く2、3個の山の中を探し回ります。ボスも牛が何頭いるか分からない場所もあるので、1週間同じ山に探しに行くと毎日牛を見つける日々もありました。また、山の中は霧が濃く、前も後ろも分からず迷子になりかけながら1人で牛を移動させることは不安しかありませんでしたが、柵の中に牛を移動させることができたときは達成感がありました。標高の高い山に行くと、馬に乗っていても雪が足につくくらい積もっているところもあります。雪が多く降ると大変ですが、カウボーイは足跡を探して牛を見つけるので雪が降ると牛の足跡がくっきりと残るため牛を探すことが容易になります。足跡を追って牛を見つけて山から降ろす。暗くなって牛が景色と同化しながらも牛を追うことは大変ですがライトや音を頼りに時には馬から降りて歩きながら牛をcorralの中に追います。11月下旬には牛もほとんど山から降ろし終わるのですが取り残された牛がいないかチェックしに行きます。山が見渡せる場所に行き黒い影が見えると双眼鏡でのぞき牛を見つけたらその場所まで行って山から降ろします。そして最後には馬に乗ってすべての山を大きく1周して最終チェックをしました。山の標高が高いので寒さに震えながらでしたが、5頭の牛を見つけることができ、最後の1頭までくまなく念入りにチェックすることはとても大切だと思いました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)11月 広井千紗都さん

雪の中牛を追う様子。牛は1列で歩くことが多いのですが、歩いた後はトレイルと言う道ができます

また、11月28日はThanksgiving dayでした。午前中は仕事でしたが、夜は果樹のボス家族の家に招待していただいたのでそちらの家で過ごしました。そこでは教会の牧師さんもみえたのでThanksgivingの歴史を教えていただきました。みんなでテーブルいっぱいに並べられたご飯を食べた後はちょっとしたゲームをして仕事の疲れも飛ぶような楽しい時間を過ごすことができました。アメリカでは祝日を大事にするので毎回アメリカ独自の文化に触れることができます。
来月からは馬に乗ることはもうほとんどなく、牛たちの餌やりが始まります。最近作業にも慣れて余裕が出てきましたが、学ぶ姿勢を忘れずこれからも積極的に行動していきます。