海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)10月 広井千紗都さん

掲載日:2025.02.04

循環農学類(2024年3月卒)広井 千紗都

農場に配属されてから2か月が経ちました。先輩の研修生も10月9日にカリフォルニアにあるUC Davisに向かい、いよいよ私一人の研修になり緊張と不安がありましたが、その次の週に2年前の元研修生の先輩が新しくビザを取得して農場に帰ってきたので心細い気持ちはありません。
今月の仕事内容としては今月初めに仕事中に人馬転してしまい、馬の下敷きになってドクターヘリで運ばれるというアクシデントがあり、運動禁止とドクターストップがかかってしまったため中旬まではオフィスで働いていました。そのアクシデントも今では仕事仲間の人たちとの笑い話になっています。オフィスでは主にリンゴの収穫に使うボックスに使うチケットをもぎる仕事をしていました。1枚1枚リンゴの品種と番号が書かれており大量のチケットを1日中もぎる作業は研修先であるGebbers Farmの規模の大きさを改めて実感することができました。ケガ明けの仕事では主にFeed lotでの作業が多かったです。
主に牛のワクチネーションやAIのためのシダー挿入を行いました。牛を1頭1頭機械の中に追って動けないように固定して3人ほどで同時に各ワクチンと耳標の取り付け、私もワクチンや耳標の取り付けを行ったのですが私が遅いせいで流れが詰まらないように気を張りながら作業していましたが、みんなと話しながらだんだん作業にも慣れ流れるように何百頭もの牛のワクチネーションが終わったときには達成感がありました。シダー挿入ではホルモン剤を使用するため女性は近づいてはいけないといわれたので私たちは牛を追う作業をして男性の従業員が挿入作業をしていました。また、ボスからAIプログラムの話を聞いたときにボスが話している内容を理解することができたので学生時代に勉強をしていてよかったと思いました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)10月 広井千紗都さん

シダー挿入の様子

月末にはボスに突然今からホースセールに行くと言われ、モンタナ州までホーストレーラーで向かいました。車で約半日の移動でしたが、モンタナ州はワシントン州の時間から+1時間の時差があるので不思議な感覚でした。会場では1日目にセールに出す馬を見せる日で、馬を出す側は馬のアピールと、見る側は次の日のセールに向けていい馬を物色する日でした。2日目にはいよいよ前日に出した馬のセールです。セール会場にはミニチュアホースや馬とロバをかけ合わせたミュールなど様々な種類の馬が出され、その中で値段がどんどんつけられていきました。私はボスに頼まれて出品された馬の値段をカタログに書き込んでおり、早口で進んでいくので最初は難しかったですが、いいリスニングになりました。ボスも馬を購入し、今回は農場にいた2頭の馬をセールに出す予定でセールに向かいましたが、帰るときには1頭のローピング用の馬と2頭の仕事用の馬を連れて帰りました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)10月 広井千紗都さん

ホースセールの様子①

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)10月 広井千紗都さん

ホースセールの様子②

また、10月31日は仕事の後にHalloweenのpartyに呼ばれました。みんな車のトランクをデコレーションしてそのデコレーションのテーマに沿った仮装をしていました。どれもクオリティが高く、特にラプンツェルの仮装をした人が本物の白馬を連れてマキシマムもいるよと言われたときはとても驚きました。最後には子供たちと肝試しのようなことをしてアメリカの文化に楽しく触れることができました。
11月からは冬に向けて放牧地にいる牛たちを集める作業が始まります。あっという間に過ぎていく時間ですが、1日1日を無駄にしないように気を引き締めていきます。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)10月 広井千紗都さん

Halloweenの様子