海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)9月 久保田匠さん
掲載日:2024.12.24
酪農研究科 修士課程1年 久保田 匠(循環農学類(2024年3月卒))
Big Bend Community Collegeを離れてから、もうすぐ2か月が経とうとしています。同じ牧場で働いている先輩は、10月の初めに研修の最終ステップであるカリフォルニアの大学に行ってしまいます。先輩は、英会話のサポートから仕事についてなど、たくさんのことを丁寧に教えてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。先輩がカリフォルニアに行ってしまうまでに、たくさん会話をし、仕事の観察をして、自分に吸収させていこうと思います。来年の後輩が来た際には、私も先輩のように見てもらえるように頑張ろうと思います。
今月になってやっと、農場に来てからメインの仕事で行っていた放牧地の除草を終わらせることができました。放牧地がとても広いため、作業を始めたころはいつになったら終わるのだろうかと思っていましたが、地道に作業を続けていると終わりは来るのだなと改めて感じました。また、除草が終わったので、先輩と共にちょっとした丘に登って見た景色は今でも思い出せるほど、達成感を感じることができました。当たり前のことですが、勉強や無理に見える課題でも、一歩ずつでも継続して前進していくことの大切さを感じることができました。この経験を今後の仕事にも生かしていきたいと思います。
18日には、牛の大規模な出荷がありました。朝早くにカウボーイたちが近くの放牧地に集めておいた牛たちをトラックにすぐに乗せることができるように、出荷のゲート近くまで寄せる作業が行われました。その後、牛を性別などで分類し、トラックの到着を待つだけの状態にしました。日本での牛の出荷の際には、出荷のゲートへ人が牛を追う光景をよく目にします。一方、アメリカでは広大な放牧地から牛を集めることや、牛を追う際にはカウボーイが中心となって行います。10時過ぎにトラックが到着したら、次々と550頭もの牛たちを10台ほどのトラックへ積み込み、約3時間という速さで終わらせることができました。まさか3時間ほどで終わるとは考えていなかったので、その速さと効率にとても驚きました。カウボーイの機動力などの力を借りることは、アメリカで培われた伝統的な知恵なのだなと思いました。私も戦力になれるように、馬を乗りこなせるようになりつつ、牛の誘導もうまくなりたいと思います。みんなの朝ごはん兼トラックの運転手への差し入れとして、ボスがドーナツを持ってきてくれました。休憩時間にはコーヒーを飲みつつ、みんなとたくさん会話をしました。とても楽しい時間を過ごすことができました。アメリカに慣れたのか、ドーナツの甘さも全然気にならず食べることができるようになったこともうれしかったです。アメリカの甘いものもどんどん食べて試してみようと思います。
休みの日にはJarbidge(ジャーベージ)という町まで観光に行きました。ネバダ州にある牧場から車で1時間ぐらいの距離にあり、知る人ぞ知る場所だそうです。谷の間にあるもともと鉱業で栄えた街で、今では50人近くが住んでいる観光地となっています。一昔前のアメリカを感じることのできる町並みで、泊まることもできるそうです。私が今までアメリカで見た街並みとは異なり、ウエスタン文化に大きく影響された木造の家やお店があり、独特な雰囲気や景色を見ることができました。とても周りの自然と融合しており、素敵だなと感じました。町のレストランの人によると、冬のほうがワインのイベントや人がたくさん来るシーズンのようなので、機会があれば今度は冬に行ってみたいと思います。
英語もまだ聞き取れないことやうまく話すことができないことが多く、仕事もまだまだだなと思うことが多くあります。私が働いている牧場は、皆が優しく、自然の環境がとても素晴らしいので、それを上手く利用して一歩ずつでもいろいろなことに挑戦してみようと思います。