2023年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 11月報告書(大塚さん)

掲載日:2023.12.21

さよならカンペンセン

獣医学群獣医学類 5年 大塚留希 (Ruki Otsuka)

十一月第一週目はエキゾチックの授業でした。日本の動物病院では普段目にしないような動物たちの診療で一症例ごとがとても印象に残っています。足が異常に腫れたアルビノのはりねずみやワニの赤ちゃん、ジャコウネコやカピバラ、モモンガ、亀、アヒル、オウム、インコなどなど。ユニットのウサギを用いてウサギの採血や保定の方法も教わりました。また木曜の午前中はRaptor Unitで猛禽類のハンドリングや採血を学び、数箇所噛まれたものの全て含め日本ではなかなかできない貴重な体験でした(笑)。その日の午後は野生動物を捕まえるための麻酔銃や吹き矢を自分たちで組み立て、実際に的に向かって打ったり吹いたりしました。本物の銃で撃っている姿はみんなスナイパーのようで、本気で銃の免許を持ちたいと思ってしまう快感でした。
第二週目は豚の授業です。日本ではほんの数時間しか学ばない分野のため基本的な知識や専門用語の理解に苦しみました。火曜にはアフリカ豚熱(以下ASF)陽性だった豚舎に行き、ASFが陽性でないかの再検査やASF予防のための改善策を考えました。ちなみにこの農場に行った二、三日後に分かったのですが、この農場は再検査の結果ASF陽性でした(笑)。日本ではまだ未発生のため日本人皆んな自分が日本に持ち帰らないかヒヤヒヤでした。次の日には別な農場で起こった子豚の大量死の原因を突き止めるべくその子豚の病理解剖を行いました。解剖を進めていくとアシスタントの先生が「多分これはサルモネラの感染だから君たちも感染しないように気をつけてね〜」と。私たちは愕然としました。簡単なマスクと帽子と薄っぺらなエプロンしかしていないのに、私たちはその解剖している豚を挟んで扇風機の風下。どうやって気をつけろというのでしょうか、、、(笑)。すぐさまサルモネラの潜伏期間を調べ二、三日で発症するとのことだったのでその数日は下痢や嘔吐の症状に怯えていました。無事に誰も感染せずにこの週を終えられたのは奇跡に近いのではないでしょうか。そしてプレゼンテーションの前日の午後、この農場の情報などをもらい、そこからプレゼンの準備に取り掛かることに。後から聞くと、この直前からプレゼンに取り掛かることになるのはカセサート大学(以下KU)では珍しいことではないとか、、、。大学の一室で2人の北大生とスライド作りをし、二十一時には帰りたいねと話しつつ、いつの間にか日をまたいでいたのは本当に良い思い出で、ある意味青春でした(笑)。みんなで「終わらない〜」「頭働かない〜」などと叫びながらの作業が懐かしいです。実際金曜のプレゼンは私たち日本人は一つの発表だけでしたがKUの学生は一グループあたり三つの発表をしていて、昨晩一発表だけでピーピー言っていた自分がとても恥ずかしくなりました。
第三週目、カンペンセン(以下KPS)で過ごす最後の週です。この週私たちは病理学を学びました。実際に犬に寄生していた住血寄生虫を顕微鏡で観察し、形態から寄生虫の種類を推測、後日それをPCR法を用いて同定をするという内容でした。またこの内容とは別に、鶏とアヒルの解剖も行いました。実際に生きている状態から自分たちの手で解剖を行うことはなかなか無い経験だったため獣医学生として貴重な経験になりました。
第四週目、私たちは大大大好きなKPSを離れ、KPSから車で二時間半ほどかかるホアヒンという場所へ。私たちはこれからKU学生のいないここで、日本人五人で四週間小動物を学びます。ホアヒン第一週目、私はCCUと言われる重症の子が入院しているユニットに配属になり、そこの先生たちに各症例を教えてもらいながらの勉強でした。既に忘れている獣医学の内容と獣医英単語のオンパレードで、夜は割と真面目に教科書を調べたり、分からなかった英単語を皆んなで確認し合いました。四時半には帰宅になるのですぐ近くのビーチやレストランに行き優雅な放課後を送るのがKU学生のいないホアヒンでの一番の楽しみでした。
ここからはKPS、ホアヒンの放課後、休日の様子を写真と共にご覧ください。

2023年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 11月報告書(大塚さん)

ホアヒンのウィーケンドマーケットの様子です。さすが観光地ホアヒンという感じで、マーケット内はタイ人はほとんど見かけず外国人、特に欧米の方が多いイメージでした。KPSに比べるとかなり値段は張りますが、その分のクオリティーがある印象でした。タイというよりはヨーロッパのマーケットにいる気分になりとても好きなマーケットでしたが、金、土、日曜日しか営業していないのが悲しかったです。

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ホアヒンの病院から自転車で十分弱のところにあるビーチです。ちょうど病院から帰る頃にビーチに行くと綺麗な夕焼けが見えて最高です。十九時を過ぎると一つ十バーツで売っているロティ屋さんが営業を始めるので、それを夜食に買って帰るのがお決まりでした。三、四回目頃になるとロティのおじさんも私たちのことを認識してくれて砂糖のサービスもしてくれるようになりました!

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これは昨年度、酪農学園大学に交換留学でKUから来たPondとNackと一緒にバンコクで遊んだ時の写真です。これは店内やメニューがハリーポッターをイメージされたカフェで、私たちもローブを着て魔法使いになりきっています(笑)!この後にはお土産選びを手伝ってもらいました。現地の人からのおすすめに敵うものはありません!!

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これはKUの六年生三人と一緒にナコンパトムの寺院に行った際の写真です。特にこの三人とは楽しい思い出ばかりで、一緒にタイのホラー映画を見に行ったり飲みに行ったり壁の薄そうな部屋で熱唱したり、本当にこんなに仲良くしてくれて、楽しい思い出をくれてありがとう!!と心から言いたいです。

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私たちがKPSにいる間にお世話になった食堂のお店です。ほとんどこのお店にしか行かなかったため、お店側も私たちのことを覚えていてくれて、私が「ご飯を半分にしてほしい」と言う前に、分かって半分にしてくれていました。

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毎週月、水曜日に行われていたKPSキャンパスでのナイトマーケットで撮った1枚です。ここのロティのお店が大好きで、ほぼ毎回オリジナルのロティを買っていたため店主のお母さんも私のことを覚えてくれて何を頼むかを含め、私の名前まで覚えてくれていました(笑)。このお母さんの優しい笑顔、絶対忘れません!!

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ここはKPSの飲み終わりに行っていたヌードル屋さんです。タイでも飲んだ後の締めはやはり麺でした(笑)!これが最高に美味しいんです。KUの六年生の子からこの場所を教えてもらったのですが、その子曰く、深夜になればなるほど鍋のスープの味が深みを増して美味しくなるのだとか、、、。

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これはBynior Partyと言われるいわゆる六年生を送る会のようなものです。実は私たちはKUの学生がいるKPSが好きすぎてホアヒンに行ってから一週間を過ごしてすぐにまたこのPartyのために片道3時間かけKPSに戻ってきたのです。みんなドレスやスーツ、逆にウケを狙った面白いコスチュームを着て、六年間の思い出の動画などを見ました。KUの学生生活が超絶大変な勉強と楽しそうな行事でいっぱいなのを見て彼らの学生生活がとても羨ましくなってしまいました。そしてKPSで友達になったみんなと写真をたくさん撮り、やっぱりKPSに戻って来たいと思う週末でした。