家庭菜園講座「地力の魅力」にて寄せられた質問について本学教員が回答します
掲載日:2023.03.09
2023年2月25日(土)に開催いたしました家庭菜園講座でいただきました質問について農食環境学群循環農学類の小八重准教授が回答します。
【質問】微生物を増やせばよい土になる(地力のある)と思うので地力の悪い土は微生物でよい土になるか。
(回答)順番としては、土の養分バランスやpHをととのえること、有機物を入れることが先です。そこで微生物が増えて高い地力が安定して発揮されます。今回の講座では土壌分析など細かい話は省略しました。また次回以降説明したいと思います。
【質問】コンポスト=よい土になるか。
(回答)コンポストはよい土を作るための簡易的な資材と思っていただければ。「もったいない」を「よい土」につなげるよい方法だと思います。
【質問】ミミズをたくさん増やしたら微生物が増えるか。
(回答)ミミズは確かに土を良くします。微生物も増えるでしょう。ただしよい野菜を作ろうと思うなら、ミミズだけでは不足です。いろいろな側面から、じっくりお話ができるといいですが、今回の講座では時間が足りませんでした。いずれお話ししたいです。
【質問】耕作地菜園で、土地の改良は当然の対応と思います。雑草を採らないまま作付をする方法は地力との相関でプラス面、マイナス面はあるのか知りたい。
(回答)「地力」との相関でいえば、マイナスはほとんどないと思います。あとはどれだけ手をかけられるかですね。
【質問】野菜専用肥料(ジャガイモ、タマネギ)を施したら堆肥や他の化学肥料はやらなくともよいですか?
(回答)その年の肥料という意味では、必要ないと思います。ただし栽培は毎年のこと。専用肥料は高価ですので、堆肥や肥効の長い有機的な肥料を導入していくのが望ましいです。
【質問】微生物=菌だと思いますが野菜にとっての悪玉菌を退治する次善策は?ペーハー調整のベスト策は?連作障害はどう対策する?
(回答)悪玉菌が増えるのは、土がその菌だけがのさばりやすい偏った環境にあるからです。いろいろな植物を植えて、微生物の多様性を高めるか、連作栽培でも、土壌環境のバランスが取れさえすれば大丈夫です。pHの調整は土の状況次第です。いつか土壌を見させてもらえる機会が設けられるといいと思います。
皆様のご参考になれば幸いです。今後とも本学の市民公開講座を何卒よろしくお願いいたします。