2022年度招へい研究者報告会を行いました
掲載日:2023.01.30
1月12日(木)、今年度の招へい研究者2名による研究成果報告会が行われました。コロナ禍で2年間受け入れが中断していた招へい研究者ですが、今年度ようやく3名の研究者の受け入れが再開しました。そのうち2名の研究者が研究終了にあたり、報告会を開きました。
発表に先立ち、亀岡笑社会連携センター副センター長より、コロナの影響がまだ残る中でのお2人の来学に改めて感謝していると、開会の挨拶がありました。
報告者1人目はタイのタマサート大学のサオワニー・ノルケウ先生(Dr. Saowanee Norkaew)で、獣医保健看護学類 動物と人の関係学ユニット 能田淳教授の受入で、“Evaluation and comparison of the indoor air quality (IAQ): An effectiveness of weak acidic hypochlorite water on bioaerosols”というタイトルで発表されました。
サオワニー先生は11月から1月の3か月間、能田教授のもとで研究活動を行いました。室内の大気中に漂う微生物の制御に向けて、異なる菌種、菌株にて次亜塩素酸水の噴霧による殺菌効果を実験室にある擬似大気チャンバーにて実証試験などを行いました
タマサート大学からの招へい研究者受け入れはサオワニー先生が初めてとなります。短い研究期間ではありましたが、沖縄でのカビ被害住宅などでのサンプル採取やこの報告会の翌週に行われた大阪でのバイオエアロゾルシンポジウムでの発表など、精力的に研究活動をされました。研究室では日常的に学生たちの研究指導をしていただき、また1月から始まったタイ・カセサート大学のプログラム開講式にも参加し、タイの留学生たちを一緒に迎えていただくなど、学内でも活躍されました。
2人目はベトナムの国立農業大学のグエン・ティ・トゥ・ヒエン獣医師(Ms. Nguyen Thi Thu Hien)で、獣医学類伴侶動物内科学ユニット 大田寛准教授の受入で、“Study on the interpretation of echocardiographic indices and serum biomarkers on canine degenerative mitral valve diseases (MMVD)”というタイトルで発表されました。
ヒエン先生は7月から1月の6か月間、本学附属動物医療センターにおいて伴侶動物内科学ならびに画像診断学について研修を行いました。特に老齢の小型犬に多い心疾患である慢性僧帽弁疾患について、その病態、診断方法、治療方法についての研究に従事し、慢性僧帽弁疾患の病態進行に伴い心エコー図検査所見と心臓バイオマーカーの値が変化していくことを確認しました。報告会では実際の症例をもとに、画像やデータを交えて丁寧にまとめて発表されました。
ヒエン先生はユニットの学生たちとも積極的にコミュニケーションを取り、日本語での会話やたこ焼きづくりなどを楽しんだそうです。「一番好きな日本語は何ですか?」という質問に「一番は『お疲れさまです』です」と答えて、会場は和やかな笑いにつつまれました。
報告会には附属動物医療センターの学生や教員も駆けつけ、お2人の本学での研究成果に耳を傾けていました。
ヒエン先生は先日無事ベトナムに帰国され、サオワニー先生も月末までの研究期間となります。これからのお2人の更なるご活躍を願うとともに、両大学との学術交流がますます盛んになることを大いに期待しています。