海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年7月 久保田匠さん
掲載日:2025.08.07
酪農研究科 修士課程1年 久保田 匠(循環農学類(2024年3月卒))
最近は6月よりも昼間の気温が高い日が増え空気も乾燥しているため、仕事に持っていく飲み物の量が格段に増えました。仕事中は脱水症状にならないよう、意識してこまめに水分補給をするように心がけています。
先月末からは、新たに子牛の世話も私の仕事に加わりました。放牧地で怪我をしていたり、体調が優れなさそうな子牛をカウボーイたちが牧場に連れてきてくれるので、主にその子たちの世話を担当しています。哺乳瓶でのミルクの飲み方を教えるところから始まり、この子らが再び放牧地に戻れるくらいまで成長するまでの世話を行います。子牛は大人の牛よりも体調の変化が激しいですが、特に来たばかりの子牛や怪我をしている子牛は体調を崩しやすいため、注意深く観察しています。また、気温の高い日が多くなってきたので、脱水症状を起こしていないかも頻繁に確認しています。体調がすぐれないように見える子には、早めにボスと相談をしたうえで、投薬や経口補水液などを与えて様子を見るようにしています。子牛の世話を任されるようになったことは、これまでの仕事で学んだハンドリングや耳標の装着といった経験や知識を活かす良い機会だと思っています。最初は人を怖がって逃げ回っていた子牛が、毎日接していくうちに少しずつ心を開いてくれるようになると、本当にうれしく感じます。8月に入ってもこの仕事は続くので、子牛たちと一緒に成長していけたらいいなと思っています。
その他の仕事では、ついに馬に乗ってカウボーイとしての仕事が始まりました。今までも暇なときに誘われて馬に乗る機会はありましたが、馬具の装着から馬の扱いまでのすべてを教えてもらいました。これまで学んできた牛の誘導技術や経験を活かしながら、たくさんのカウボーイと一緒に仕事をしていると、「アメリカまで来て学びにきた甲斐があったな」と改めて実感します。まだまだベテランのカウボーイたちから学ぶことは多いですが、それも含めて楽しみながら過ごしていきたいです。
独立記念日には、同期の研修生の友人がアイダホに遊びに来てくれたので一緒に近くの町を観光しました。普段なら車がないと行けないような場所にも行くことができ、充実した時間を過ごしました。いつも買い物に行っている町も、観光客の視点で見ると新しい発見があり、意外と楽しめるものだなと感じました。こうした機会を作ってくれた友人に感謝しています。また、土曜日の仕事が早く終わった日には、同僚と一緒にネバダ州までロデオを観に行きました。私にとって今シーズン初めてのロデオ観戦で、ビールを片手にとても楽しみました。会場に来ていたキッチンカーのタコスは、メキシコに住んだことのある同僚におすすめされて食べてみましたが、パクチーの風味が効いていてとても美味しかったです。タコベルなどのお店とは少し違う味で、また食べたくなるような一品でした。