タイ・カセサート大学単位互換プログラム報告書(12月分)
掲載日:2020.01.14
獣医学群獣医学類5年 武智江梨
タイの留学が始まってから、あっという間に3か月がたってしまいました。
今回は12月に学んだ内容と、タイに来て私が感じたことを書いていきたいと思います。
留学して最後の一か月は大動物のローテーションに参加しました。まず、はじめの2週間は大学病院に来院した牛の検査、治療の参加と農場への往診、デモンストレーションファームでの直腸検査の練習と農場で起きている問題の研究を行いました。3週目にはノンポーキャンパスに移動し、泊まりこみで農場への往診と病院に来院した牛の診療を行いました。
最後の週は馬の診療を見学、参加しました。タイでは競技用の馬が多く、様々な症例を診ることが出来ました。
○タイに留学した感想
私がタイに留学した目的は、日本とタイの獣医療の違いを学び、獣医療の基礎の理解を深めることでしたが、最終的な目標は獣医学を学んだりタイの学生と共に成長したりすることで、タイを楽しみたいというものでした。そして、その目標は十分すぎるくらいに達成していました。
私はタイの学生たちよりも獣医英単語が分からず、班の中では課題をこなすことにおいて、圧倒的に戦力外です。それに加えタイの学生も私と話すときは英語を使わなくてはなりません。一緒の班の人達にとってプレゼン等の課題を行うにあたり、私の存在が多少なりともストレスになることは容易に想像できます。そのため、私はタイの学生たちと交流するのが楽しみでしたが仲良くできたらラッキーだな、くらいに思っていました。しかし、私はタイの学生との1か月半を気づいたらずっと笑って過ごし、その毎日はびっくりするくらい楽しいものでした。それは一緒になった班の人達が私に先生の言ったことを一から英語に翻訳してくれ、分からないことは教えてくれ、プレゼン作りに参加させてくれ、そのすべての過程で私の存在を拒否されることがなかったからだと思います。
タイの学生も私に教えてくれる中でストレスがなかったわけではないと思います。でも、私がいる状況を楽しもうとしてくれたのでしょう。その姿勢はプレゼン作りでも一貫していました。プレゼン準備は深夜までかかることも多く、はじめ私はプレゼンに対する姿勢を尊敬すると共に、長時間のプレゼン作成に対して嫌になることはないのか疑問でした。しかし一緒に作っていくと気付いたらいつも誰かが差し入れを買ってきたり、冗談を言い合って爆笑したり、プレゼンの議論が突然タイ語講座になったりと、常に笑いが絶えず、でも真剣に課題と向き合うという心地良い空間の中にいました。そんなタイの学生のどんな時も楽しもうとする姿勢がとてもかっこ良く、一緒に過ごす中でたくさん心を動かされました。この様な人達に出会えただけでこの留学に来た価値はプログラムの内容以上のものがあり、かけがえのない経験をさせていただきました。
タイに行くまでの準備に関わってくださった先生方や、この留学に快く送り出してくれた両親、留学中に私がいない分の埋め合わせをしてくれたゼミのみんなやタイでお世話になった先生や友達たち。非常にたくさんの方々の支えがあって3か月を無事終えることが出来ました。
本当に、ありがとうございました。