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掲載日:2017.12.04

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム(カナダ・ガーナ) 活動報告書(11月)

獣医学群獣医学類3年 前田沙優里

12月1日をもって私の語学学校は無事に修了し、ホームステイも満期となり、現在はシェアハウスの新居に移ったところである。さて、今月のテーマは、「牧場での活動」と「11月の記念日」だ。

1.牧場での活動

 現在は通っていないのだが、冬が本格化するまで、サスカトゥーンの郊外にある大学付属の牧場に朝5時くらいから、および午後17時くらいからこの牧場に足を運んでいた。ブラジル出身の獣医師(おそらく研究技術者に相当すると思う)がメインとなって、彼女の他にサポートの研究員が一人、そして私の2~3人での活動となる。朝の作業は主に、子牛の発情確認と大きくなった卵胞の除去、およびエコーを用いた卵胞の確認である。夜の作業は主に、発情確認と血液検査、ホルモン投与である。
 普段、牛たちは親子そろって広めの囲いの中を自由に動けるように飼育されている。1日2回、上記の作業を行うにあたり、まず母牛と子牛を別けるように誘導する。子牛たちを一列に並ばせ、順繰りに室内の作業場まで連れて行き、保定器具の中に入れてから検査等を行う。つまり、一度子牛を一列に並べてしまえば、私達は基本的に暖房の効いた室内で全ての作業を行えるということになる。素晴らしい。
 卵胞を除去する手順を簡単に説明しよう。まず、エコーで卵胞の大きさを確認する。十分な発育がみられたら、腰椎硬膜外麻酔(リドカイン)を行い、膣を洗浄、消毒する。エコーと吸引針の付いた器材を膣内に挿入し、膣壁から卵巣の卵胞を穿刺、吸引する。

自分のデスク

獣医棟の鍵

 私は、日本でまだ繁殖学を座学ですら習っていない状態であり、すべて自学だったので、当然であるが始めはほぼ全てが理解不能であった。私が大学2年生の夏にNOSAI実習に行った際は、獣医さんが、まだ2年生だからと知識や経験面での配慮をかなりしてもらったものだが、ここではそういった配慮はない。大事なのは、わからないことをはっきり表明し、忙しそうな相手でも質問しにいく積極性である。また、「知っている」と「できる」は別物であり、自分がどこまで理解できていて、何ができないのかしっかり伝えることが大切だ。例えば、CIDR(膣内留置型黄体ホルモン)を知っているかと聞かれ、はいと答えたら、じゃあやっといてとなったことがあるのだが、私は知識があったのみでやったことなどないので、「できないから教えてほしい」と伝える必要があった。また、困ったのはせっかく説明してもらっても英語力の乏しさ、および知識不足により、その説明が理解できないことが多々起こることだ。しかし、これは、わからなかった用語やフレーズを帰宅後に調べ、教科書で勉強する繰り返しで大分克服することができた。12月からは体外受精の為にまた牧場に行くことになるそうなので、しっかり学んでいきたい。

2.11月11日は何の日?

 近年、日本では11月11日をトッポの日と言うようになってきた。お隣、韓国もペペロデーといって、日本と似たような日となっている。中国では、独身の日といって、オンラインショップが大セールを行う日だそうだ。私はこの日を知らなかったのだが、カナダのニュースでも取り上げるぐらい世界的に有名のようである。さて、カナダはこの日をRemembrance Day という祝日にしている。1918年11月11日は第一次世界大戦の休戦協定が結ばれた日であり、この祝日は、戦没者を追悼するための日である。休戦協定が発行された時間である午前11時には黙祷が行われる。この日のシンボルは赤いポピーだ。人々は募金をすると赤いポピーのバッジを手に入れることができ、それを胸元につける。この募金は、退役軍人の経済支援や、医療機関、研究等の資金として使われるそうだ。一見、赤い羽根募金と似通った感じはするが、本当に多くの国民がこの赤いポピーを身につけており、人々にとって大切な日であることがよくわかる。
 なぜ赤いポピーなのかを調べてみた。1915年第一次世界大戦で戦ったカナダの軍人John McCraeの詩、”In Flanders Fields”からによるものだそうだ。激戦区だったヨーロッパのフランダース地方(現ベルギー)は、戦闘が終わった後、赤いポピーが埋め尽くし、この詩はその様子を死んでいった兵士の無念と対比して表現している。

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Remembrance Dayが近くなると多くの人々がこの赤いポピーを胸元につける


 ちなみに、Black Fridayというのを紹介しよう。10月の報告書に写真を挙げたが、カナダのThanksgiving Dayは10月である。しかし、アメリカは11月に祝う。この祝日のあとにくる金曜日、すなわち11月の第4金曜日(今年は11月24日)はBlack Fridayと呼ばれ、多くの商業施設が大セールを行う。このアメリカ発祥の商業戦略とも思えるイベントはカナダにも持ち込まれ、この日は多くの人々がショッピングを楽しむ。

3.さいごに

 冒頭にも挙げたが、私は現在シェアハウスをしており、自炊生活が始まった。せっかくなので日本食を友人に振る舞いたく、アジアンストアで日本の調味料等を購入した。ほとんどの物が購入できる。よく言われるのは、郷に行ったら郷に従え。しかし、カナダに来て思うのは、多くの留学生や移民は、あまり郷に従っていないどころか、自分の国民性、食文化、をむしろとことん大事にしている人が多いことである。同じ移民の国オーストラリアに私は3回行ったことがあるのだが、多くの移民はなんとなく”オージーらしい”雰囲気を感じとれる印象があった。しかし、カナダは“ザ・個性”といったカナディアンとは全く違う雰囲気を感じとれる気がしている。(うまく表現できないのだが)という訳で、私も日本人らしさを時々思い出して取り入れるのだが、やはり服装はカナダスタイルが楽である。こちらでは、レギンスやヨガパンツだけで外を出歩くのが普通である。(日本はレギンスにスカートやショートパンツ)始めは絶対できないと思っていたが、今ではあまりの楽さでレギンスにフード付きパーカーで過ごしている。
 そんな人種のモザイク、カナダ。歴史はそんなに甘くない。ファーストネーション(先住民)には様々な問題があった。移民によって、病気が持ち込まれ蔓延。カナダ政府との協定で支援を受ける代わりに土地を手放さなければならなかったり、子供は寄宿学校に通わされ、カナディアンとしての教育を受けさせられたりした。この寄宿学校は暴力が横行しており、寒さや飢えなどによる死亡率が非常に高かったそう。その寄宿学校が閉鎖したのが最も遅かったのが、私のいるサスカチュワン州の1996年である。今でもまだ、ファーストネーションと政府との対立が続いている地区もあるそうだ。


酪農学園大学エクステンションセンター(2017.12.04)|お知らせ, 一覧, 国際交流, 現地レポート(留学)

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