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掲載日:2018.11.16

2018年度 アルバータ州農業研修プログラム

循環農学類3年 齋藤もなみ

 今回、8月24日から9月22日にかけてカナダのアルバータ州にて、海外農業研修として滞在した際の体験や学んだことについてまとめたいと思います。
 海外へは高校の修学旅行、家族や友人との旅行で何度か行ったことがあり、特に大きな不安もありませんでした。しかし、私自身かなり体調の悪い状態で出発当日を迎えてしまいました。経由地のカルガリー(アルバータ州南部の空港)では、カナダで有名なコーヒーショップTim Hortonsを見つけ、カナダに来たことを強く実感しましたが、あまりの体調の悪さに飲食することができず残念でした。カルガリーからエドモントンのカナダ国内の飛行機はプロペラ機でした。
 目的地であるエドモントン空港の入国窓口で、1か月滞在する理由として留学ではなく農業研修のため、うまく伝えられず苦戦しました。無事、手続きが終わりロビーでは、アルバータ大学のマルコス先生が待っていてくれていました。到着日から3日間、マルコス先生の家でお世話になりました。マルコス先生と奥さんは、実習で必要なものを揃えるためにウォルマートや大学に連れて行ってくれました。アルバータ大学で、乳牛を見せてもらいましたが、充分に食べられるよう一頭ずつに飼槽がありました。また、実習着も英語の書かれているものをもらいとてもうれしかったです。エドモントンの街もいろいろと見せてもらいましたが、特にアルバータ州議事堂が大理石の柱などとてもきれいでした。ウェストエドモントンモールには、ウォ-ターパークや、アイスパレスが屋内にあり、とても驚きました。もし体調がよかったら、私はアイスホッケーをしているので自分のスケート靴で滑ってみたかったです。文化の違いで驚いたのは、トイレのことをwashroomと呼ぶのを知らず、restroomと思っていたので、カナダではそう呼ぶのだとわかりました。
 月曜日(8月27日)になって、農家に行きました。農家のある町は、最近villageになったくらい小さな町で、Thorsbyというところです。私が行った農家を簡単に説明します。CEOのWarren Crowさんが2006年にメインとなる土地を購入し始まった農場、牧場です。2008年に穀物の経営をはじめ、2009年に牛を購入し、肉牛の放牧や繁殖が始まりました。放牧地は1時間以内のところに13もあり7000エーカーの土地があります。2018年には、約1200頭もの子牛が生まれました。分娩の期間は、毎年11月から5月までで、ちょうど私の行った時期には、牛舎に牛はいなかったので見ることができず、世話をしたりすることはできませんでした。
 最初の日は、放牧地をトラックで連れていってもらいました。とてつもなく広い土地にさまざまな種類の肉牛たちがいて、感動したことをよく覚えています。






放牧地にはたくさんの牛がいて、画像ではレッドアンガスが我々の乗っているトラックに近づいてきた。

 滞在させてもらったのは、農家さんが改築中のため昔から働いているという70代の女性Joyceのおうちでした。(農家の施設があるところのすぐ近く)農家さんとは本当の家族のように仲が良かったです。農家には、帯広に私が旅行で行った際のばんえい競馬の馬のぬいぐるみをあげ、北海道の気候が近いことや農業が盛んなこと、ばんえい競馬のことなどたくさん話しました。体調が治るよう、スープを作ってくれたり、食べ物の買い出しや病院に連れて行ってもらいました。買い物は、町の小さな商店に行きシリアルを買いましたがとても大きなサイズで滞在中に食べきれなかったです。農家の施設には、大きな農業機械や、小麦や大麦の乾燥機や貯蔵する場所、カウボーイが使う馬のいる厩舎がありました。キャンプファイヤーもしていて日本だとそんな光景見たことがないので(都市部しか住んだことがないからかもしれませんが)驚きました。
 体調が治って、はじめて収穫が終わった後の畑から土や、放牧地からなどの糞尿など回収して捨てている土地とを往復しているトラックに乗せてもらいました。運転していたのは、農家の娘のKaydeeでまだ17歳の高校生でした。カナダでは自動車免許の取得が16歳からでき、お金も日本ほどかからないようです。次の日は、朝7時にカウボーイたちと出かけ、1時間弱くらいかかるところの放牧地など3つ回り、放牧地でのカウボーイの仕事を見せてもらいました。カウボーイは、まず放牧地全体から牛を探して集めて、子牛の首に綱を投げてかけ、足にも投げてかけます。この足にかけるのが難しそうでしたが、まるでワイヤーのようにひゅん!と足もとらえて子牛を倒れさせたあとは、注射などの治療を行います。ここは日本と変わらないのですが、かなり広い土地での放牧なのでカウボーイが必要なのもうなずけます。日本のように、治療の管理をノートや黒板などみんなで共有していると思っていたのですが、カウボーイの腕に任されているようです。目で見てこの牛にはこれが今必要だといった原始的なやり方をしているようです。牛の種類は、ブラックアンガス、レッドアンガス、シャロレー、シンメンタールが主にいて、シンメンタールとアンガスのF1をよく見かけました。Kaydeeは、カウガールでもあり、自分の馬をもっており、ブルーという馬によく乗っていてとてもかわいがっていました。彼女のSNSは馬の写真がたくさんで、彼女の取り組んでいるカウボーイ、カウガールの馬の乗り方はロデオと呼ばれていて、馬術とはまた違うようです。

カウボーイの仕事

放牧地の牛を一か所に集める



カウボーイが乗る馬は相棒的存在


 9月1日には、County fairがありました。ロデオの大会のような技を競うもの馬や羊などにふれあえる展示や雑貨販売、肉牛業者など農業関連の展示などがある年に1度行われるフェスティバルでした。
 羊に小さい子どもを乗せてすごく短距離を走るシープライドに、たくさんの子どもが参加していてとても盛り上がっていてかわいかったです。ロデオを模して子どもにカウボーイや馬に乗ることや動物をより身近に感じさせる狙いがある遊びなのではないかと思いました。ロデオの技術を競う大会には、農場のカウボーイのArnieが出ていてとてもうまかったです。また、馬の上で行うラクロスのようなものが一番印象に残っていますが、「ポロ、ポウロウ(poulou)」と呼ぶそうです。4人のチームで行うようですが、私が見たものは、3チームもあり、馬がしっかりということを聞いているのがすごいなと思いました。その日は、CEOのWarrenと奥さんのNicoleとNicoleの実家に行き、Nicoleの父母WesとSharonや兄弟にも会い、みんなでたき火の周りで食べたり話したりしました。とてもすてきな木のおうちで週末のおうちだそうです。
 9月に入ると小麦や大麦の収穫も活発になり、畑での収穫作業は毎日23時頃までやっていました。大きな農業機械が光を出しながら動いている様子は、見ごたえがあり、Kaydeeが運転するトラクターに乗って収穫作業を見学しました。収穫する穀物は、小麦や大麦などで、ハイテクな機械には、水分量なども表示してありロボットアニメのコックピットのようでとても楽しかったです。Nicoleとともに、19時くらいに農場に、夜ごはん(ハンバーガーやチキンだったりします)を持っていきピクニックのように農場でごはんを食べました。





収穫作業が忙しいので、ごはんを畑に持っていき、みんなでピクニックのように食べる。この日はチキン。

 Nicoleの友人の酪農家のおうちにも行かせてもらい、とても小規模な酪農でしたが、家族で経営していて、馬も飼っていました。オランダから何年か前にきたようで、オランダ語、英語の入り混じる会話で、面白かったです。私を農場に送ってくれる帰り道、ピジョン湖の夕日がとてもきれいでした。忘れられない光景でした。
 農場では、収穫、カウボーイの仕事のどちらかについていっていましたが、カウボーイとともに、バギーバイクで牛を追いかけたことがとても楽しかったです。穀物の貯蔵庫で穀物について教えてもらいましたが、水分量を測って12.0%に限りなく近づけるべく、もう一度ドライする機械に穀物を入れなおしたりします。測る機械の使い方も習いとても勉強になりました。
 9月中旬Marcos教授のおうちにまた行き、ハンバーガー屋ならウェンディがフレッシュミートだということでおすすめされ、連れて行ってもらいました。また、動物園にもいけて、海外の動物園はとても広いとどこかで聞いたことがあるので本当にさまざまな動物がいて、象が歩いているところにちょうど出会えてラッキーでした。スケート場もたくさん見せてくれましたがちょうどもってきていたスケート靴を忘れたのでのることができず残念でした。旗が立っていたのですが、有名なホッケー選手がなくなったことを追悼する意で、旗がすべて上がりきっておらず、半分までになっていました。
 スケート場は、Thorsbyにあるのでいくことができ、こどももたくさん来ていたので、ホッケーやスケートはカナダではとても身近なのだと実感しました。
 アルバータ州でも大きい規模の酪農場にも行きましたが、32個もある搾乳機で一気に搾乳していました。育成舎は、生まれたての子牛が6日間いる部屋、3~4週間ほどの子牛が2か月いる部屋、離乳した子牛が3か月いる部屋にわかれており、水、餌、遊ぶボールが設置されていました。また、乾乳牛、ハッチの子牛、病気の牛のいる大きな牛舎には、自動で餌よせをするロボットがあり、距離を測りながらよせているようです。ハッチには生まれたての子牛がいて、カルストロムという黄色い栄養のあるミルクを与えます。そのために、冷凍庫から取り出し、暖めて1頭1頭に与えていました。
 教授と奥さんとは、ナショナルパークにも行き、バイソンを見ることができ、バイソンの肉も食べました。高価なお肉のようでとてもおいしく赤身しかないようなお肉で私はとても好きでした。体調の悪い状態で来てしまった私を暖かくむかえてくれて、さまざまな経験をさせてくれた教授と家族に感謝しています。

バイソンの群れ











 9月も中頃を過ぎると、雪が降ってきて、そんな寒い中、肉牛たちの出荷をしました。放牧地からそのまま出荷をするので、牛を通らせる通路は念入りに頑丈にしていき、大きな声を出して、牛を出荷していきます。
 出荷以外にも、放牧地に牛のミネラル分の塩を置いたり、柵を直したりするのを手伝いました。帰国する前には、Nicoleの息子のJaceなどと、NHL(アイスホッケー)の試合を見に行く機会がありました。NHLでは、エドモントンのチームが勝ち、すごく派手な会場で白熱する試合を見られてとても楽しかったです。Jaceのガールフレンドのおうちには、馬やロバなどがいて、乗馬を教えてもらいました。カウボーイたちを見てから馬に乗ってみたかったのでとても良い体験になりました。









乗馬を教えてもらいました。かかとで蹴ると速く歩いてくれたり、重心を後ろにすると後ずさりしてくれたりしました。

 帰国する日は、朝から雪が降っていました。最後の数日はNicoleの実家に泊まっていたので、SharonとWesに見送られました。Nicoleの家族、農場の人たち、Joyce、たくさんの人にお世話になったなと思い少し涙が出ました。カナダに来たときと違い、とても体調がよくたくさんお土産を買ったり、経由地がバンクーバーだったので、エドモントンより広い空港にわくわくしたりして帰ってきました。
 今回の農業研修を通して、英語を勉強しに行くわけではないからとあまり英語学習に力を入れずに、行ってしまいましたが、わかる単語がもう少しあればなと思う反面、文化や自然や動物については知りたい気持ちがあれば、理解することができると実感しました。今度は、肉牛の分娩の時期に行ってみたいと思いますし、カナダについてたくさん知ることができ、日本の良さも感じ、とても良い経験をさせていただきました。

     






酪農学園大学社会連携センター(2018.11.16)|お知らせ, 体験談, 全件, 国際交流, 大学HP更新用, 研修を終えて(農業研修)

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