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掲載日:2018.11.05

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム(ウガンダ)活動報告 10月

獣医学群獣医学類5年 梅原悠季

1.はじめに
 私は現在、文科省主催の「トビタテ!留学JAPAN」という事業からの奨学金を得てアフリカ・ウガンダに留学しています。トビタテ!留学JAPANとは、日本政府と民間企業などが協働して日本学生の留学数増加に取り組む、いわば「留学促進キャンペーン」です。選抜された全国の学生に返済不要の手厚い奨学金が支給されます。
 この事業への応募にあたり、何度も書類の添削やプレゼン練習に付き合って下さった先輩方や同期、提出期限を何度も変更したにもかかわらず快く受け入れ応援して下さった国際交流課の方々、留学受け入れ先の相談に乗って下さった先生方、留学準備を直前まで手伝い送り出してくれた家族、その他私の留学に関わって下さった大勢の皆様に心から感謝申し上げます。

2.ウガンダでの活動
 2018年10月15日、東アフリカに位置するウガンダ共和国に降り立ち、約3週間が経過しました。現在は首都のカンパラから西に車で5時間ほどのムバララで活動しています。
 私の留学計画は、JICA草の根パートナー型技術協力事業「ムバララ県安全な牛乳生産支援プロジェクト」での10か月のボランティア活動です。このプロジェクトは酪農学園大学獣医疫学教室とJICA北海道が協力して行うもので、2016年9月~2019年9月までの3年間の計画で実施されています。プロジェクトがフィールドとするムバララは首都カンパラに次ぐ大都市であり、かつ酪農に適した気候と土地をもち、ウガンダで有名な酪農地帯として知られています。このムバララ県内30軒のプロジェクト協力農家に対して、⓵搾乳衛生 ②繁殖・栄養管理 ③ダニ媒介疾病対策の技術指導を行い、最終的に協力農家が良質な牛乳を生産すること・牛乳生産量が増加することを目標とするプロジェクトです。

 プロジェクトは主にベースライン調査(農家さんを巡回し、血液や乳サンプルを採取・聞き取り調査を行い、現状問題把握を行う)・普及活動(①~③に関するリーフレット等を作成し、ワークショップや農家さん巡回をしつつ技術指導を行う)・疫学調査(プロジェクトによって乳質や乳量が改善されたか調査する)の流れで計画され、私が活動を開始した10月時点では普及活動の真っ最中、農家さん向けに2回目のワークショップを企画しようという段階でした。

農家さんに配布しているリーフレット
(介入パッケージ)
衛生的な搾乳手順・栄養繁殖管理・ダニ予防方法について現地語で記載されている。




 プロジェクトの拠点であり、農場巡回以外の作業場となっているムバララ県獣医事務局オフィスには、県の獣医師(District Veterinary Officer : DVO)、検査テクニシャンのような役割の人が一応常駐し(毎週金曜日のムスリムの礼拝時は不在であったり出勤・帰宅時間は個人の都合によりバラバラ)、それぞれ農家さんを巡回訪問したり、農家さんがオフィスに持ってくる血液サンプルや時には死亡した鶏の解剖検査を行っています。県が運営する家畜病院のようなイメージです。
 ウガンダはマダニが媒介する東海岸熱(ECF)やブルセラの汚染国であり、日本では滅多に遭遇しない病原体とかなりの頻度で出会います。また、事務局では現在牛のサンプルしか対応しておらず、農家さんが稀に鶏を持ち込んでも検査を断ってしまうことも多いそうです。さらに、片道1時間かけて農家さんがサンプルを持って訪ねてきても、テクニシャンやDVOが不在のケースが多く(農家さんも事前に電話で不在かどうかの確認をしていない場合がほとんど)検査できずに帰ってしまうケースも幾度か目にしました。ここでの問題は、圧倒的な人手不足に加え、従業員の知識不足が挙げられます。現地普及員である私たちがもつ知識を現地獣医師やテクニシャンに伝え、さらに彼らがその知識を正しく他の獣医師、テクニシャンに伝えるという構造を作る必要があると感じます。(彼らが必要と感じてくれればですが)

死亡した鶏の腸管と肝臓
腸管には大量の寄生虫が、肝臓には多数の腫瘍が見られた。確定診断はできないが、死因はマレック病又は白血病+条虫の大量寄生によるものと思われる。この解剖結果から飼育衛生環境の劣悪さがうかがえる。持ち込んだ農家さんに感染防止方法と衛生環境改善について指示したが、どこまで理解して実践してくれているか…         


3.留学の目的
 私がなぜアフリカに留学しようと思ったか、それは幼い頃からのアフリカ大陸への憧れを獣医学部入学後もずっと持ち続けていたからです。アフリカで大好きな動物に関わって生きていくために選んだ獣医学という専門知識を、実際にアフリカでどのように活かすことが出来るのか。現地の人々が抱えている様々な問題やニーズを実際に自分で見て聞いて感じ、自分の目指すべきアフリカでの獣医像を明確にする。というのがこの留学における最大の目的であり自分のミッションとしています。また、それとは別に日本のアンバサダー活動としてムバララで現地の人々に日本を発信する活動を行っていくことも、留学に来ている日本人としての大切な役割であると考えています。

ムバララの農家さんと牛
日本の牛と比較してもかなり綺麗な牛体、良いBCS(ボディコンディションスコア)で驚いた。ウガンダ西部は原産の種である巨大なつのを持ったアンコレ牛が有名であるが、搾乳牛はホルスタインやジャージーが多い。また、農家にはその土地の所有者であるオーナーが存在し、従業員が家族単位や個人で雇われているケースが多い。     



牛乳の運搬
50Lタンクに手絞りした牛乳を詰め、バイクや自転車で集乳所(MCC)まで運ぶ。MCCからは大型タンクローリーで各乳製品会社の工場に運ばれる。街でこのミルクタンクを4つ自転車に積んで運んでいる人を見かけることも。

オフィスで飼育している羊
乳房炎検査時に必要となる血液寒天培地を輸入するお金がもったいないので、羊から採血して手作りしている。吸血して膨れ上がったマダニがよくひっついている。ロミオと名付けた。

   

酪農学園大学社会連携センター(2018.11.05)|お知らせ, 体験談, 全件, 国際交流, 大学HP更新用

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