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掲載日:2018.04.03

フィンドレー大学ベケット奨学金留学報告書:3月

獣医学類5年 北名純也

 酪農学園大学獣医学類5年の北名純也です。ニュースを読んでいると、日本では桜が見ごろを迎えているようですが、3月のフィンドレーは暖かくなってきてはいるものの、まだ寒い日々が続いています。しかし、晴れた日は過ごしやすく気持ちの良い春を感じることができます。
 さて、3月は初旬の春休みを利用して大学のPre-vet clubという団体が主催する5つの獣医大学を回るツアーに参加してきました。このツアーを通じてさまざまなことを知ることができたので、今月はアメリカの獣医大学について、今の私が理解している範囲でご紹介したいと思います。

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獣医大学と集合写真


 まず、アメリカで獣医になる過程は、日本のそれと大きく異なっています。日本では高校を卒業した後に獣医大学を受験し、それに合格すると6年間の大学生活を送ることになります。6年次の卒業前に受ける獣医国家試験に合格することができると、晴れて卒業後は国家資格を手に獣医師として社会で活躍していくこととなります。
一方、アメリカで獣医師になりたい場合は、トータルで8年間大学に通うことになります。まず、高校卒業後に4年制の大学に入学します。この4年制の大学では、次の獣医大学への応募に必要な単位を取得することが目標となります。フィンドレー大学はこの4年制の大学に当たり、獣医師になりたい学生向けにAnimal Science学部の中に Pre-vet (Preは前、vetはveterinary:獣医学の、を意味します)programを有しています。このプログラムは多くの獣医大学への応募に必要な授業を提供しているため、競争率が高く、このプログラムを受講したい学生は学力が優秀である必要があります。フィンドレー大学以外にもPre-vet program を持っている大学があるようですが、これを持っていない大学も多くあり、このような大学ではBiologyを専攻して、応募に足りない分の授業を追加で履修するなどの形をとるようです。
このように、獣医大学への進学に必要な単位を取得した後、ようやく4年制の獣医大学へ入学することになります。しかし、4年制の大学を卒業した人が全員獣医大学へ進学できるわけではありません。アメリカには全部で28の獣医大学があり、これらの入試倍率は平均して12~15倍程になるそうです。獣医大学の入試方法も日本とは大きく異なり、アメリカではいわゆるペーパーテストが存在しません。ここで重要になってくるのが、4年制大学でのGPA(成績)の平均です。各獣医大学が独自の基準を持っていますが、大概はかなり高いGPAを持っていないと受からないようになっています。また、それと同時に重要になってくるのが、小動物病院での実習、大動物の獣医師の下でのインターンシップ、海外への留学経験、研究室での実験、ボランティアなどの社会貢献活動、など大学時代の様々な経験です。これらの経験は大学生活でのGPAと同等の評価を受けます。この経験を証明するために、各大学は学生に対してインタビューを設けます。このインタビューもすごく重視されていて、今までの様々な経験をしっかり説明できるか、わかりやすく伝えるためのきちんとしたコミュニケーション能力を持っているかなども評価されます。このように、大きく分けて学業的な実績と、経験的な実績が総合的に判断されて、後日合否が受験者に伝えられます。各獣医大学には海外からの留学生も在籍しており、英語の試験を受けて、ある基準を満たすことができれば他のアメリカ人の学生と同じ方式で獣医大学を受験することも可能です。
 また、獣医大学は公立大学も私立大学も学費のシステムについては似た制度をとっています。各州の大学はそれぞれ、ResidentとNon-resident という制度を取っています。Residentの学生はその州出身の学生を指し、Non-residentは州外からの学生を指します。税金の関係で、州外からの学生は学費を多く払わなければならず、最も大きな差がある州では2倍ほど高くなってしまうそうです。平均するとResidentの学生は年間150万円程、Non-residentの学生は年間250万円程を学費として支払います。少々高く感じてしまいますが、日本の大学と違い、アメリカの大学では給付型の奨学金制度が発達しており、成績次第ではこの学費も安く抑えられるようです。
 このように、日本とアメリカの獣医大学を取り巻く環境は大きく異なっているため、もしアメリカでの進学を考えている方がいらっしゃれば、よく調べてみる必要があります。
 アメリカの獣医大学の制度を知り、セントルイスとシカゴの観光と旅行も楽しめたこのツアーはとても素晴らしいものでした。来年度以降も獣医に興味がある人は参加してみることをお勧めします。

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シカゴ再び


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シカゴ水族館でベルーガと

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バドワイザー(ビール工場)の見学


 今月はさらに、春休みに実施されるベーシック・アニマルハンドリングプログラムで酪農学園大学から6人の短期留学生が来ました。そのうちの一人のミワちゃんは私の研究室の同期で、大学では毎日のように顔を合わせていたので、アメリカで会うことを非常に楽しみにしていました。約3週間のプログラムの中で、休日など時間が合うときに、彼女たちと一緒にEquine rescueと呼ばれる馬の保護施設の見学や、動物園のバックヤードツアー、Animal hospiceとして働いていらっしゃる動物看護師の方の話を聞くなど貴重な経験ができた他、ホームステイにお邪魔し、念願のナイアガラの滝にも行くことができました。私自身も2年前に参加したこのプログラムに、1年間の留学生という立場で携わることができ、新しい観点から見ることができたこと、新たなことを学ぶことができたことは非常に大きな経験となりました。また個人的には、自分が今までこのプログラムを通じて知り合い、かかわってきた人たちが一堂に会して食事をしたとき、同窓会のような不思議な気持ちになりとても感動しました。今回の短期留学生が、この滞在をきっかけに少しでも多くのことを学び、感じることができることを願っています。5月にはフィンドレー大学からの留学生が酪農学園大学に来るので、日本で楽しいひと時を過ごしたいと思います。

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念願のナイアガラの滝

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Equine Rescueで馬と

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歴代のプログラム参加者、関係者での集合写真
ここにいる全員が2年前から今年までにこのプログラムに携わり、私は全員を知っていたので、非常に感慨深いものがありました。


 今月はさらに、大学の留学生の中では非常に大きな行事、International nightが開催されました。この行事は、世界各国からの留学生が自分たちの国を代表して、食べ物を提供したり、ステージで出し物をしたりするパーティーです。全部で約20か国が発表し、非常に盛り上がりました。日本ブースでは、うどん、輪投げ、ヨーヨーすくい、箸つかみゲームを提供した結果、最初から最後まで人が途切れることがなく、大盛況となりました。また、ステージ発表ではよさこいを披露しました。例年よさこいを披露しているとのことで、周知度はありましたが、みんなで筋肉痛になりながら練習して、最後まで踊りきることができ達成感に満たされました。また、私は友人のカズヤと共に「ふるさと」の合唱も披露しました。こちらも反響が大きく、日本の歌を紹介することができてとても良かったと感じています。
 このようにInternational nightは1年で留学に来た人たちで作り上げる素晴らしい行事なので、来年度以降にフィンドレー大学に来られる方もぜひ参加されてみてはどうでしょうか。

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自作のInstagram ボードとヨーヨー

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屋台の様子

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集合写真(友人のカズヤ作)


 アメリカでの留学生活も残り約1か月と少しになってしまいました。始まった当初は長いと感じていましたが、今では一日一日が一瞬のうちに過ぎてしまいます。4月には初旬に自分の日本での抗菌性タンパク質に関する研究をアメリカの学生に対して英語で発表することになりました。私としては自分の研究を英語で発表することは初めての経験になりますが、全力を尽くして取り組みたいと思います。また、現在イースターの休みを利用して3度目のJoniの家でのホームステイを楽しんでいます。この様子も踏まえて来月皆様にお伝えしようと思います。さらに、5月も帰国前に一大イベントを考えているので、それもお伝えできたらと思います。
それではまた。

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トレド美術館でゴッホの絵と


なにか直接私に質問などがある方は、こちらまでご自由に連絡ください。
kitanaj@findlay.edu

酪農学園大学社会連携センター(2018.04.03)|体験談, 国際交流, 現地レポート(留学)

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