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掲載日:2017.10.04

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム(カナダ・ガーナ)活動報告書(9月)

平成29年10月1日
獣医学群獣医学類3年 前田沙優里

1.はじめに

現在、私はカナダの中部、サスカチュワン州のサスカトゥーンというところに来て2週間が経ったところだ。今回の留学は、カナダに約10か月間、ガーナに4週間という計画であり、計12回もの報告書を作成する機会を頂いた。そのため毎月テーマを決めて報告書を作成しようと思う。
今月は、「主な1日の流れ」、「オンライン講座」、「カナダの中に世界をみる」の3つに的を絞って報告することにした。
また、今回のカナダでの留学をするにあたり、サスカチュワン大学Veterinary Biomedical SciencesのJaswant Singh教授と繋いで下さった酪農学園大学循環農学類の堂地教授、トビタテ!留学JAPANとの手続きを担当して頂いている国際交流課の方々、留学のチャンスと素敵な仲間と出会わせてくれた文科省はじめ、トビタテ事務局の方々、多くの資金援助をし、本留学を実現させて下さった支援企業様、応援してくれる家族と友人に感謝を示したい。

2.主な1日の流れ

 現在、平日の中心は12時30分から16時20分に行われる語学学校(ESL)である。東アジア、ラテンアメリカを中心に他、中東、ヨーロッパ、中央・南アジア様々な国から学生が集まる。ESLが終わった後には用事がない限り牧場へ行っている。牧場は1日に必ず朝5時近くからと午後17時からの2回、サスカチュワン大学の獣医学部Veterinary Biomedical Sciencesに所属する研究員が繁殖管理をしており、私はそれに同行させてもらっている。ESLと牧場については、後々報告書に記そうと思う。
 休日は1日に2回牧場に行く場合は、それと家での自習でほぼ1日の生活は終わる。下の表には、朝のみ牧場に行った日の例を挙げている。ダウンタウンは大学からバスで15分程にあり、美しい川と多くのお店や飲食店が立ち並んでいる。ショッピングモールから娯楽施設、定期的なイベント、川の両端に広がる美しい紅葉を楽しむことができる。

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ここ最近の1日の生活例


3.オンライン講座

私のサスカチュワン大学における立場というのはESLの学生であると共に、Visiting Research Studentという外部からの研究員でもある。日本国内で私達が授業で獣医師や獣医学生として必要な法律や規則を習う必要があるのと同様に、カナダではカナダの法律や州の規則を学ぶ必要がある。という訳で、本格的に研究室に所属する前に、サスカチュワン大学のオンライン講座の「UACC Animal Ethics Course: Farm Animals」「Biosafety」「Laboratory Safety」を受講し、テストに合格しなければならない。
現在は上述の3つのコースのうち2つを合格しており、順調といったところだ。始めは、当然だが全て英語なのでその量に唖然としたが、3日程で慣れ、今は大事そうなキーワードをノートにまとめて眠気を飛ばし、頭に入れては忘れる前に一気にテストまで受けるという方法で落ち着いている。ちなみにこのオンライン講座は一度受講すると、1か月以内という条件が課される。(普通にやればそんなにかからないが)

オンライン講座の一例,写真や図があるときもある。

コースを合格するとメールで証明書が送られる


4.カナダの中に世界をみる

このフレーズは確か、トロントの地下鉄の電子公告で見かけたものを私が勝手に意訳したものだ。留学する前にカナダ東部(ナイアガラフォールズ、トロント、モントリオール、ケベックシティ)を貧乏旅行していたのだが、留学先に着いた今でもこの言葉には非常にしっくりくるものがある。
まず、カナダは移民の国である。様々な人種、生まれ、宗教の人たちが生活している。日本ではなかなかお目にかかれない中東料理レストランもたくさんある。ハラル食品が多く売られている。様々な髪色や肌の色の子供たちが仲良く遊んでいる。空港のVISAの列には本当に様々な人種の人たちで長蛇の列ができる。観光客が多いとはいえなかなか日本では見ることのない光景ではないだろうか。
そして、カナダはダイバーシティの国である。人種、信仰、LGBTQ(性的マイノリティ)が”多様性”としてすんなり受け入れられている国のように感じる。そして私自身も、今は”外国人”という少数派の1人の立場にあるわけだ。そんな私は、差別を受けるどころか、道を歩いているとすれ違った人に微笑まれながら挨拶され、地図を片手に道に悩んでいると、迷っているのかと声をかけてもらえる。英語が上手く聞き取れないと、ゆっくりはっきりと言い直してくれる。日々、人々の優しさに感銘を受けている。

写真左:トロント最大の博物館(ROM)では、カナダ先住民・アジア各国・中東・アフリカ・エジプト・ヨーロッパ・ギリシアの遺跡や芸術品、世界中の生物の剥製や恐竜の化石など様々な展示物を楽しめる。
写真右:グリークタウンのレストランで食べたギリシア料理


カナダに限ったことではないだろうが、様々な国からの留学生も集まる。つい先日、韓国の学生を他己紹介する際にメキシコの学生が間違えて「彼女は北朝鮮出身です」と言ってしまったのだ。そこで露わになったのは、北朝鮮を知らない学生が多いことだ。日本人である私と韓国人、間違えたメキシコ人と中国人2人で北朝鮮についての議論がそこから始まった。朝鮮は北と南で長らく分裂しているのだというところから。恐らく報道規制によりあまり知る機会を得ないであろう中国の学生と、距離的にも関わり的にも薄いであろうメキシコの学生はそこで初めて知ることが多かったようだ。そしてこのようなことは私たち日本人にも当てはまるはずだ。例えば、シリアと聞いて、ああなんか内戦していて今危険なところだよね?と思う人は多いだろうが、イエメンと聞いて内戦やコレラの流行で大変なことになっているという認識がすぐ出て来ない人もいるはずだ。ESLにパキスタンの学生がいたので話す機会があったのだが、「カナダは本当に安全で驚いた。みんなちゃんと交通ルールに従って運転している。僕の国ではたまにだけど銃声だって鳴るし全然安全じゃない。」と言っていた。運転に関しては、日本には及ばないといった印象ではあるが、いろんな国に行ったことがある身としては、歩行者を優先してくれるあたり、確かに類稀な安全運転だと思う。当たり前だが、日本で銃声を聞くことなんてまずない。その国の人からその国の話を聞けるというのはとても興味深く、新しい気付きが生まれる。
さて、何が言いたいかというと、日本国内で見えていた世界はほんのごく一部だったのだ。別にそのごく一部でも生活に困るわけではない。しかし、私個人の願いとして、その一部の世界を全てだと思って信用することはやめて欲しい。今回の留学生たちもそうだが、私が今まで出会ってきた中国人は皆優しいし、本当に本当に良い人ばかりだ。中国に行った際は本当に助けられた。ESLでも日本人と言うと、日本のここが好きなんだ!この日本語知ってるよ!と満面の笑顔で話しかけてきてくれる。はて、日本で私が中国のここがね~と話した際の日本人の反応を知っている身としてはとても嬉しくも申し訳ない気持ちになるものだ。日本では中国人の反日報道や観光客のマナーが度々問題にはなるが、それが全てではないということをどうか知って欲しい。
そして、日本という国、日本人であるということについて考えることが非常に増えた。嬉しいことに日本と聞いてピンと来ない人には会っておらず、皆からポジティブな印象と興味を持たれ、様々な質問攻撃を受ける。日本人の宗教観は?寿司って自分で作るの?食事は何が中心なの?最低賃金は?なぜ誕生日にハッピバースデートゥーユー…♪以外の歌を歌わないの?日本人はなぜシャイが多いといわれるの?日本人の理系留学生の多くが医療系なのはなぜ?(他の国はコンピューターやエンジニア系が多い)と少し思い出しただけでもかなり返答に困るもの含め、多くの質問を受けている。留学は日本について考える良い機会である。

ケベックシティ、ここは州の公用語がフランス語だ


私のカナダ滞在期間はまだ旅行期間含め3週間程度だが、かなりの世界をみることができた。ケベックシティでは、フランス統治時代の面影をみることができた。「私は忘れない」という言葉がいたるところにある。トロントでは、移民による地区がいくつかあり、(日本でいう東京の新大久保が韓国街のようなそういったイメージ)それこそ世界各国の小旅行気分を味わえる。ユースホステルでは夜な夜な世界各国からの宿泊者と語り合うことができる。   
カナダは非常に治安が良く、水道水も安全で美味しい。人は親切。清潔な生活を送れ、食にも困らないという、かなり快適な日々を過ごせる。しかし、そこには、世界中の人たちが集まっているが故の、会話を通した文化共有や知識の共有が必須であり、互いへの理解と関心、興味、そこから広がる友人関係がある。私の友人関係なんて小さいものかもしれないが、こういった個人間での繋がりがどんどん広がって、世界が平和に近づけば良いと感じるばかりだ。少なくとも、ここカナダで感じる平和は、ご近所付き合いやバスで隣になった人、学校のクラスメイトみたいな小さな関係性の積み重ね、そして外国人など少数派とされる人々に対する苦労の理解と配慮によるものが大きいように感じる。私も帰国したら、地図とにらめっこしている外国人に声をかけるところから始めたい。

私の留学先サスカチュワン州サスカトゥーン


酪農学園大学エクステンションセンター(2017.10.04)|お知らせ, 一覧, 国際交流, 現地レポート(留学)

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